「いつかは自分の店を持ちたい」と考える美容師は多いものの、具体的な開業資金がわからずに躊躇してしまうケースも少なくありません。実際に開業する場合の必要金額や、自己資金が不足している場合の資金調達の詳細が事前に分かると安心ですよね。
ここでは美容室の開業資金についてお伝えします。自己資金が0円でも開業できるのか、また貯蓄額や融資についても解説します。
いずれは美容室の開業・独立を目指している人はぜひ参考にしてみてください。
目次
貯金は300万円あればいい？美容室の開業資金を複数サイトで調査！
美容室を始めるにあたり、必要となる資金はどの程度なのでしょうか。複数のサイトでリサーチしたところ、開業資金として300万円から500万円を準備したというケースが最も多い結果となりました。
しかし、立地や改装費用、当面の運転資金の有無で、開業に必要な金額は異なります。また、どの程度の設備を導入するのかも、予算から逆算していくと赤字を回避できます。
実例として、開業資金300万円で美容室を始めた人のブログがありますので、参考にしてみてください。
1人美容室の開業資金は300万円から？実際に1人美容室やってみた！ | サロン集客部
自己資金ゼロ・0円でも美容室は融資で開業できるのか？調べてみた
美容室を始めるにあたり、自己資金0円で始めることは実際のところほぼ不可能です。
美容室の開業には、平均で1000万円近くの資金が必要になると言われています。ただし、その資金の全てを自分で用意する必要はなく、たいていの人は必要資金の何割かを融資という形で準備します。
しかし、自己資金が全くない場合は、この融資を受けることができません。自己資金がなく、さらに融資が受けられないとなると開業は非常に難しくなります。開業に向けて計画的な資金準備が大切です。
15坪の美容室だと開業費用はいくらかかるのか
【10坪・15坪・20坪】狭いと美容室内装に制限はある？デザイン事例と相場を解説 (whatsinc.jp)
ここからは実際の店舗を想定し、具体的な開業資金を解説します。
ここでは例として15坪の美容室を開業すると仮定します。この場合、坪単価として40万円から60万円での開業が可能と言われており、概算で600万円～900万円が開業資金として必要です。デザインによっては坪単価30万が叶う可能性もあります。
狭くてもデザインや内装のこだわり次第で素敵な美容室が手に入ります。ただし、面積が狭くなるにつれて、坪単価は割高になる傾向にありますので注意しましょう。
低資金、0円で美容室の開業・独立するためには政策金融公庫・助成金の活用を
開業にあたり、自己資金で用意できないお金は融資や助成金を受けることができます。
日本政策金融公庫には、中小企業の経営者向けに融資制度が用意されています。無担保、無利子で借り入れができるので、開業資金の調達方法としては最適です。
その中でも新創業融資制度は、これから事業を始める人に向けた融資制度です。3000万円を限度に低い金利での融資が受けられます。ただし、この制度の利用には自己資金要件があります。自己資金要件とは、以下の条件を指します。
- 新たに事業を始める方、または事業開始後税務申告の1期目を終えていない方で、創業時に創業資産総額の10分の1以上の自己資金（事業に使用される予定のもの）を確認できる場合
- 上記要件を満たさない場合でも、「現在お勤めの企業と同じ業種の事業を始める方」、「産業競争力強化法に定める認定特定創業支援事業を受けて事業を始める方」等に該当する方
他にも助成金として都内の美容室を対象に創業助成金が用意されています。助成金の内容や金額はエリアによって異なりますので注意しましょう。以下のサイトでは低コストでの開業方法を紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
美容室の開業は自己資金が0でもできる？低コストで開業する方法
【経営者必見】美容室開業時に使いたい助成金と補助金をわかりやすく解説 | BIGLOBEハンジョー
融資や助成金については、各機関ごとに条件が異なります。以下に、美容室の開業時に利用したい融資を依頼できる機関の特徴についてまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
| 利用条件 | 融資限度額 | 利率（年）※無担保 | |
| 新規開業資金 (日本政策金融公庫) | 新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方 | 7,200万円（うち運転資金4,800万円） | 1.81～2.30 |
| 区の中小企業事業資金融資あっせん制度 （地域別制度融資） | 渋谷区内で1年以上同一事業を営んでいる法人または個人 | 1,500万円以内（前回の利用残高と合わせて1,500万円以内） | 1.7 |
| 三井住友銀行 (銀行) | 運転資金、設備資金（決算・賞与資金としてのご利用も可能です）としての利用 | 1億円以内 | 2.125％～ |
| プロミス (消費者金融) | - | 500万円 | 4.5％～17.8％ |
まとめ：美容室の開業は低額でも可能！まずは政策金融公庫の融資相談を
夢の開業や独立を前に、どうしても考えなければならない資金。できるだけ自分で用意したいものの、必要に応じて融資や助成金の活用を検討しましょう。
融資を受ける際には、自己資金の有無も問われます。大金を用意する必要はありませんが、ある程度の自己資金があれば融資が通りやすくなります。
美容室は低額の自己資金でも開業が可能です。夢を叶えるために、まずは融資や助成金について相談してみましょう。